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国土交通省東北地方整備局が公用車運転業務の委託に導入した一般競争入札で低価格競争が激化し、運転手の給料が大幅に低下したとして、国交省職員の労働組合が制度の改善を要望している。整備局の公用車は災害の際、技術職員を緊急に現場に運ぶケースもあり、労組は「運転手には高い専門性が求められる。低価格競争が続けば未熟な運転手が増え、業務に支障が出る」と主張している。
改善を求めたのは、全建設労組(全建労)東北地方本部など5団体。東北地方整備局の青山俊行局長あてに昨年11月、要望書を提出した。「低価格受注で労働者の賃金引き下げが繰り返され、行政サービスが低下しかねない」と指摘。総合評価落札方式を導入し、価格だけでなく運転技術なども考慮するよう求めた。 国交省は2009年度、公用車運転業務の一般競争入札を全面的に実施した。08年に公用車の運転業務発注で談合疑惑が浮上したのがきっかけ。国交省によると、09年度の一般競争入札で全国の平均落札率は62%となり、一部指名競争入札だった08年度の92.6%から30ポイントも低下した。 東北地方整備局の出先事務所ごとに実施した入札は計39件で、対象は黒塗りの車、技術職員を運ぶワンボックスカーや乗用車など計329台。入札には実数で15社が参加し、8社が落札した。落札額は計8億8900万円だった。 全建労東北地方本部によると、入札は業者のたたき合いが激しく、低価格での落札になった。業者の多くは従業員の基本給を引き下げたり、諸手当を廃止したりして対応。給料の激減でベテラン運転手が退社し、代わりに技術が未熟な運転手が採用されるケースも目立つという。 宮城県内の国出先機関で働く男性運転手(46)の月給は6、7万円下がり、多いときでも18万円で、年収は200万円を切ったという。 受注したある東京の業者は「落札率が下がったことで、給与水準を引き下げたのは確か。労組が整備局に要請したことについては何とも言えない」と語る。 東北地方整備局は予定価格の60%を調査基準価格と定めて低入札調査をするが、排除された業者はいない。最低賃金さえ超えていれば「行政はそれ以上、何も言えない」(契約課)との立場だ。 全建労東北地方本部の田仲安一書記長は「災害地を運転する技術、カーナビで誘導されない辺地の道の知識など専門性が要求される。運転手の役割や労働条件を明確にすべきだ」と話している。 ・ 炭素分子2個の融合を観察=新薬開発などに貢献−産総研と東大(時事通信) ・ 取り調べ可視化導入、法相「一層力入れる」(読売新聞) ・ <雑記帳>遠野の「語り部」289人を認定(毎日新聞) ・ 副大臣・政務官、15人増員へ(読売新聞) ・ 本物が出るお化け屋敷? =26年の歴史に幕−東京・浅草花やしき(時事通信) PR |
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